旅のお土産
2017/05/04 夢とお金
みなさんは、旅行に出かけたらお土産を買う派ですか?
それとも買わない派なのでしょうか?
目次
今や、自宅に居ながらお土産が手に入る
素敵な旅のおすそ分けということで、昔は旅に出たらお土産を買うということに相場は決まっておりました。
ところが現在では、地元の商業施設やインターネットの通信販売で欲しい物が国内外を問わず簡単に手に入ります。 つまり、その土地にしかないモノが、その土地に行かずとも手に入るようになったので、お土産を買うことの必然性もだんだんと薄れてきてしまったのかもしれません。
旅行に行ったつもりで、通販なら、自宅にいながら誰にも会わずに買い物ができます。 支払いはカード払いやコンビニ決済も可能。 なにも北海道に行かなくたって、ハワイに行かなくっても、夕張メロンや、あの、カメハメハ大王印のマカデミアナッツのチョコだって、好きなだけ手に入ります。 しかも、持ち運ぶ必要もありません。
なので、もはや旅先でお土産を買うことの必然性が薄れてきたような気がします。
お土産は、旅に行ってから買うというところに意味がある
お土産は、旅に行ってから買うというところに意味がある。確かにそうなのかもしれません。 旅から戻って、出かけた旅先にゆかりの、こころばかりの品を渡す、そういった相手を想う気持ちが、本来お土産の本質なのかもしれません。
お土産をもらった人が、受け取った時に嬉しいと感じるのは、品物そのものについてではなく、贈ってくれた相手への気持ちに対してなんだということ、了解です。
旅行に出かけて、自分の為にお土産をわざわざ買ってきてくれた...。
有り難い。
そういった気持ちが相手に伝わるというところに意味がありそうです。
しかし、それならば、贈る土産にありったけの強い思いを込めたらいい、ということになるのでしょうか?
贈る土産にありったけの強い思いを込めたらいいのでしょうか?
お土産に、あまり個性的な気持ちを込めるのもいかがなものか。自分の嗜好を出すあまり、アクの強すぎる民芸品などを渡すのはきっとNGです。
例えば、かつてブームになった「まりもっこり」。いまだに様々な種類のまりもっこりが北海道に行けば売られています。北海道土産に、今さら「まりもっこり」もらって、喜ぶ人はそうはいないはずです。
かつて一世を風靡した(?)北海道土産のひとつに、鮭をくわえた木彫りの熊があります。一時は、どこの家庭に行ってもテレビの上には鮭をくわえた木彫りの熊がいましたが、テレビが薄型になってしまったことのあおりでしょうか?
憐れ木彫りの熊は、今やお土産の絶滅危惧種なのかもしれません…。(笑)
昔、船乗りだった叔父さんが、お土産に持ってきたのはワニの剥製でした。 目玉の部分のみがビー玉に置きかわってるやつです。
それにしても、ワニの剥製のお土産は、当時としてもかなりインパクトのあるしろものでした。
そもそも、こういったものを日本に持ち込んで大丈夫だったのでしょうか?こちらも、 旅のいただきものとはいえ捨てるに捨てられない困った土産のひとつです。
なんでワニまるごとなんですかね?
もっと財布とか、バッグとか、原形をとどめないワニが欲しかったと、当時、母も言っていました。
1ドル360円の時代に何故、そこまで個性的なお土産を買おうという気持ちになったのか、いまだに謎です。
1000年以上も前からあった 「土産」 という言葉
土産という言葉は、実は1000年以上も前からあったそうです。
漢字で、「みやげ」を「土産」と書くために、土地の名産品だと思われがちなのですが、もともとは、宮笥(みやげ)と書いたそうです。
宮笥(みやげ)とは、神札(おふだ)を板に貼ったもの。 笥(け)とは容器のことで、神霊、つまり神様の霊力を入れるというものが「宮笥(みやげ)」の語源だったそうです。
古代の日本人は、「村の外には、邪気悪霊がうようよいる」と考えていました。 だから、伊勢参りなどのお宮参りは、村の中でも一番勇気の有る男が選ばれて、「村の代表」として出かけたのです。
出発するときは、水杯(みずさかずき)を交わしたというくらいの決死隊だったわけです。
村人は、この男に賽銭を渡し、自分の祈願を頼みました。これが、餞別の風習の始まりですね。
そうして、神社にたどり着いたその代表は、その餞別で、村人みんなの分のみやげ(宮笥)を買って帰ったそうです。
これが、土産の風習の始まりです。
土地の物産品が寺社の門前に並ぶのは、この風習に便乗したためだったとのことです。
お土産屋
団体旅行でお土産屋に客を連れて行く旅行社
その昔、団体旅行の旅先では、お土産屋に客を連れて行く代わりに、旅行社がお土産屋からリベートをいただくという習わしがありました。
トイレ休憩や昼食時の駐車場の代わりにお土産屋を利用するという名目もちゃんとありました。
パック旅行に組み込まれたお土産屋とはあらかじめ立ち寄るという約束をしており、店からお金を受け取るかわりに、その分を還元した形で旅行代金を安くして客を増やすという戦略が当時は当たりました。
しかしながら、この仕組み、だんだんとお客さんがしらけてきてしまい、お土産屋に立ち寄っても、昔みたいにおもしろいようにお客さんが財布のひもをゆるめてはくれなくなりました。
買いたくもない時にお土産を買わされている感じです。値段が特別安いのであればまだしも、逆に、市内で買うよりも明らかに高いのであれば、やがて売れなくなるのはあたりまえです。
喜ばれる 「お土産屋」
反対に、もし本当に欲しいものが、欲しい値段で売られているのであれば、確実に売れます!
中国人観光客による「爆買い」がそうです。
航空路線の拡大や大型客船のクルーズなどで訪日する中国人観光客が急増し、家電製品などのほか、化粧品、医薬品の売り上げが大きく伸びています。
今の「爆買い」中国人は日本製品のこれまで培ってきた信頼感とイメージを買っているのです。
しかしながら、中国製品の品質が今よりもっと向上し、中国のバブルも終わって、為替相場も円高に振れた時、果たして、中国人観光客が今みたいに日本製品を買ってくれるという保証はどこにもありません。
お土産で 「あっ、嬉しい」
とにかく、いろいろご不満もございましょうが(笑)旅に出たらお土産を買いましょう!!
お土産をもらう相手の喜ぶ顔を思い浮かべながら。
自分にも、そして相手にも負担にならない予算の、もらった人が「あっ、嬉しい」、と思えるような、そんな気の利いた土産を探しましょう。
お土産を売る側は、ただ単にモノがたくさん売れればそれでいいという発想に頼らず、常に想像力を働かせて客のココロを掴める商品開発をお願いできたらと思います。
お土産を通じて、人を大切に想う気持ちに、今も昔もありません。
株式会社 SEASON 佐 藤 慶 一
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