FP村潜入記
2023/05/03 家計
私は仕事人生の殆どを「ファイナンシャルプランナー」とは畑違いの業界で過ごしました。
その私が「いつかはファイナンシャルプランナーとして人様のお役に立てる仕事に関わりたい」と思うようになったいきさつと、その後、実際に「ファイナンシャルプランナー」として活動していらっしゃる方々と交流した時の感想を、みなさんにお伝えしたいと思います。
目次
「FP」との出会い
私はサラリーマン人生の殆どを鉄鋼業界の大手企業で過ごしました。その私がファイナンシャルプランナーという世界に初めて接したのは、2003年(45歳の時)に有料老人ホームの運営会社に出向した時でした。
当時その有料老人ホームには比較的裕福な方が入居していて、2カ月に1回信託銀行の担当者が出向いてきて財務相談会を開いていました。参加者にはセミナーで、相続問題や金融商品について身近で実際に起こった事案を通じてわかりやすく解説し、セミナーの後、個別に相談に応じていました。ホームでの人気行事で、私が聞いていてもとても役に立つ内容でした。そのときの銀行の担当者は1級FP技能士という資格を持っていて、「あ、こんな仕事もあるのか」と思いました。これが「FP」との初めての接点でした。
FP村の人々
2017年に勤めていた大手鉄鋼メーカーを定年退職、関連会社に再就職しましたが、初めて接した時以来興味を持っていたファイナンシャルプランナーの業務にいずれは関わりたいと思い、日本FP協会のAFPという資格を取得しました。
それ以降仕事の合間を縫って、福岡でのFPフォーラムというイベントにアシスタント相談員として参加したり、FPさんたちの勉強会に参加したり、またその都度懇親会にも参加して、できる限りFPの世界に触れるようしました。
しかしそこで出会う人たちの多くは税理士、保険募集人、住宅ローン仲介業者、不動産業者、社労士といった職業の方たちでした。私のような鉄鋼メーカー出身サラリーマンは極めて稀です。
若い人もたくさんいましたが、FPという仕事でメシを食っているのではなく、ついでにFP資格を持っている、という印象の人が多いと感じました。そしてそこで耳にするのは、自分のもうけ話やどんな保険商品が実入りがよいとか、そのような話も多く、正直、私が抱いていたイメージとはかなり落差があって、違和感を覚えることが多かったと思います。
純粋に相談業務やコンサルティング業務でメシを食っている人は、殆どいないという事実が徐々にわかってきました。
これは自分の考えていたFP業務とは全く違う!?
なにかインチキ臭い!!
有料老人ホームの運営会社に出向した時に初めて「FP」という世界に接して以来、いつかは自分もFP業務に関わりながら人の役に立ちたいと思っていた私でしたが、定年後にワクワクしながら飛び込んだその世界の「がっかりする現実」を前に、(少々大げさな言い方をすれば)セカンドライフの目標を見失った気持ちになってしまいました。
「日本ライフプラン研究所」というムラを発見!
ワクワク感が失せかけていたころでした。
3年前にある勉強会で出会った方の誘いがきっかけで、日本ライフプラン研究所が主催する「ライフプラン実務College」という勉強会に参加しました。
そこでは、お客様の様々な考え方(人生観、家族観、教育観、仕事観などなど)に対してアドバイスやプランニングも一通りではないこと、また対応するプランナーの価値観によっても対応の仕方が異なることなど、とても新鮮で”人間味”のある意見が参加者同士で交換されていて、気が付けば私は、毎月のその勉強会に参加することをとても楽しみにするようになっていました。
インチキ臭いFPさんもたくさんいるのは現実だけれど、一方では私の考える”ホンモノ”のFPさんもしっかり存在していて(少数だと思われますが)、ワクワク感が再びわいてきた今日このごろです。
FP1年生の正直な気持ち
ワクワク感が復活したとはいえ、ファイナンシャルプランナーとして人様のお役に立てるようになるには、私はまだまだ1年生の1学期。しかも大手鉄鋼会社の会社員として人生の大半を過ごしてきた自分が、心配事を抱えて相談に来られる様々なお客様に受け容れてもらえるような対応ができるのか、お客様に信頼してもらえるFPになれるのか、まだまだ確信は持てません。
今までの自分の失敗や経験、知識がお客様の役に立つはずだと思いながらも、果たしてお客様にわかりやすく伝えることができるのでしょうか。
この歳になっても学ばなければならないことはたくさんありそうです。
一方で、日本ライフプラン研究所の勉強会に集うような”ホンモノ”のFPさんがもっともっと増えて、さらに多くのお客様に「FPさんに相談してよかった」と実感してもらえるようにするにはどうしたらよいのだろう、と思うようになりました。
今、FP1年生ではあるけれど、「定年を過ぎたオジサンだからこそ」できることもあるはずだと模索しています。
AFP 米 村 健 史