幸せな人生に必要な価値観
2021/02/28 夢とお金
比較するクセ
私たちは、物事を考えるのについつい「比較」して考えてしまう。
親はわが子のありのままを見ようとせず、ことあるごとに比較する。
生まれたばかりのわが子が寝かせられている新生児室で、隣の子の肌の色や、鼻の高さや形、身長、体重と次々と気になって比較し喜んだり残念がったりする。
公園でおとなしいわが子と活発な子を比較し、運動神経の良い子とわが子を比較し、着ているものを比較し、おしゃべりの仕方を比較する。
学校に行けばその比較の種はドンドン増える。
そして、わが子よりできる子をうらやみ、できない子を見てちょっとホッとする。
増え続ける比較のタネ
高校、大学と進学するにつれ、その進学結果は親の感情をさらにゆさぶる。
そして、就職。さらに結婚。
どこまでいっても比較の種はつきない。
大人になったわが子がお給料の良い大企業に勤めれば大安心。
「これでこの子は幸せの人生を歩ける。」
…本当だろうか。
比較するクセが不幸を引き寄せる
順調に見えた人が突然、エネルギーをなくしてしまうということがある。
どんなに世間的には素晴らしい状況にあっても、誰かとの比較の中で生きていれば、いつまでたっても「これで満足。私は幸せだ。」とはなりにくい。
幸せな人生を生きていくのに必要なのは、「私にとっての幸せ=自分自身の価値観」を知っているということだと思う。
私にとって価値あるもの
誰かと比べて感じるのではない私にとっての価値観がちゃんとあるということ。
それを満たすだけのお金があれば、世間一般の人と比べて収入が少なかろうが、その人は十分に幸せだと言える。
お金を持っていても幸せそうではない人のことを、私たちは知っているはずなのに、自分も同じ不幸せな人になっている。
「自分にとっての幸せは何なのか。」
お金の教育をすることで、親も子もそれを知ることになる。
あるものに対してお金を支払うということは、そのお金に見合った価値を手に入れるということ。
それが、目に見えるものであれ、目に見えないサービスであれ、自分にとって必要な価値があると思うのでそれに対価を支払うのだ。
お金の教育の目的
子どもにお金の教育をすることの目的のひとつは、「子ども自身の価値観を知る」ということにある。
何に対してお金を使うのか。それがたとえ親にとっては価値のないものであったとしても、子どものこづかいから支払われるのであれば、親は口出しを控えなければならない。
子どもも自分のこづかいの中からお金を出してそのものを手に入れるからこそ、その価値が自分にとって本物なのかどうかもわかる。
その時は「欲しい!」と思って買ったものでも、新たな「欲しいもの」が出てきた時に、減ってしまったこづかいと、衝動買いして買ったそのものと、新しく欲しくなったものを自分自身で比較してみることで、自分にとってより良い選択ができたのかどうかがはっきりわかるのだ。
自分のお金の中から失敗をするから大人になった時に上手に使いこなせるようになる。
自分のお金で無駄なものを買ったからこそ、「あ~あ、無駄遣いしちゃった。」とわかるのだ。
その積み重ねで、「欲しい」という気持ちになっても、ちゃんと考えて選択できるようになる。
大人になった時には、大きな失敗をさけることができるだろう。
何より自分にとって大切なものを知っていれば、流行や他人の価値観にふりまわされることはない。
こづかいを使って子どもの「価値観」を育てることは、その子が幸せな人生に近づくために必要なことだと私は思う。
親子のマネーカウンセラー 鶴田明子
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