貯蓄額デッドライン
2020/03/17 夢とお金
目次
ある夫婦の話。
共働きのご夫婦が相談にみえた。
お二人とも正社員としてしっかり働いていらっしゃる。子どもは3人。3人目は生まれたばかりで奥様は大忙し。ハイハイをし始めた頃なので、床の汚れが気になり、朝出かける前と、帰ってからと、一日に二度の掃除にとても疲れているご様子。
「お掃除ロボットが買いたい…。」奥様の言葉。
貯蓄額は500万を超えており、毎月貯蓄も増えている。けれど「買っても大丈夫ですかね?」と心配していらっしゃる。ご主人は「買ったらいいのに。」と軽くおっしゃる。「でも、こんな高価な買い物をしたらだめなんじゃないかしら…。」と不安なご様子の奥様。
家計の状況をお聞きし、シミュレーションをして、その中にお掃除ロボットの予算も組み込む。そして「今日の帰りに買っても大丈夫ですよ。」という私の言葉で、ようやく納得されたご様子だった。
あまりにも心配性の奥様と楽天的なご主人を前にして、私は不思議に思い聞いてみた。
「お二人にとって、安心できる貯蓄額っていくらですか?」と。
するとびっくりの答えが返ってきた。
奥様は「1,000万円くらいないと安心できません。」
それに対してご主人の回答は「僕は100万円もあれば大丈夫な気がします。」
それで納得した。これでは二人の会話はかみ合わないはずだ。安心感に900万円もの開きがある。
彼らの置かれている状況は同じ。貯金額は500万円。ご主人にとっては大安心の金額。けれど、奥様にとってはまだまだ油断はできない金額だったのだ。
案外、世の中の夫婦のお金の話の行き違いはこんなところにもあるのではないだろうか。その安心感が得られる金額がぴったりと一致している夫婦のほうが少ないかもしれない。
ファイナンシャルプランナーなどに相談し、将来について見通しを立て、預貯金残高を管理していれば、
・今は子どもにお金がかかり、貯金ができない時期
・子どもが巣立ち、今が老後のための貯め時。
など、お金がなくても今はいいのだとか、しっかりお金を増やしていかないといけない時期なのだとかの判断がつく。
心配をしなくていいのに心配しすぎて生活がつまらなくなったり、楽観的になりすぎて後で困ったりするのではお金と上手につきあっていることにならない。
あなたの貯蓄額に対するデッドラインはいくら?そしてその根拠は?
実は、貯蓄がいくらあっても不安な人は、そもそも人生を生きていくことに不安を抱えている場合がある。
自分の周りの人間関係に不安はありませんか?
夫婦関係、親子関係、職場の人間関係、友人関係、ご近所関係などなど。
それらの人たちとの関係が良くなれば、お金の不安はかなり軽減されるはず。
その人間関係の中に、ファイナンシャルプランナーも入れていただければ、なお安心感が増えるはず。
貯蓄額のデッドラインを知り、安心して暮らしていくためにも、相談室を利用してほしい。