金融商品を選ぶときの心得
2020/01/06 資産運用
時々、金融機関で勧められた商品のパンフレットを手に「これって、いい商品ですか?」というご相談を受けます。そんなとき私は逆に、いろいろなことをお尋ねします。
主には 「いくらのお金を」 「いつまでに」 「いくらにしたいのか?」
目次
金融商品は目標を明確に
みなさんがレストランで食事をするときのことを思い浮かべてください。
「何か食べるものをください」 とは注文しないでしょう。
そのような注文には店員さんも困ってしまいます。
金融商品も同じです。より具体的な要望と注文が、本当は必要なのです。
レストランの食事に限らず、住宅であれ車であれ、みなさんはきっと具体的な好みに基づいて店員さんに注文するはずです。洋服を買う際にはそれに加えて自分のサイズも店員さんに伝えるはずです。
にもかかわらずこと金融商品については、みなさんの多くは漠然とした注文しか発しないのです。ですから金融機関の店員さんはみなさんが本当に欲しいものではなく、店員さんまたはその金融機関が 「売りたい」 商品 を手にしてみなさんに説明を始めるのです。
ただ 「金融商品についてのより具体的な要望」 となると、みなさんはあまり慣れていないようですね。
ではどんな金融商品を望んでいるのか。
手元にいくらのお金がある、あるいは月々いくらを積み立てたい、この程度のことはみなさんも店員さんに伝えるでしょう。
問題はそこからです。
例えば手元に100万円あったとき、
「いつまでにいくらにしたい」 とは言わずに
「安全で、より大きくなるもの」 などという注文をしていないでしょうか?
このとき 「10年後に倍の200万円にしたい」 という注文が加わっていると、店員さんは利回り7%の金融商品を探すことになり、それなりのリスクを伴うものになるでしょう。決して年利0.01%の定期預金をお薦めすることにはなりません。
逆に 「30年後に倍の200万円にしたい」 ということであるなら、年利2.4%ということになり、相対的にはリスクの小さいものになります。
運用期間の注文をはっきりさせるだけでも、店員さんがおすすめする商品は全く異なるものになるわけです。
目標を明確にするために必要なこととは
この具体的な注文を可能にするのは、みなさんの将来の人生についてのイメージです。
残念ながら(特に日本人は)自分の将来とお金をリンクさせて考えることが苦手なようです。
そのため「お金はあればあるだけ、たくさんある方がいい」となってしまい、漠然とした注文しか出せなくなってしまうのですね。
本当は「お金は、人生に必要なだけあればいい」はずなんですけどね。
今までよりも少しだけ、自分の人生とお金をリンクさせられるよう意識してみてはいかがでしょう。
ファイナンシャルプランナー 三谷慶太