結婚を後悔したことがありますか?
2017/05/06 家族関係
私がファイナンシャルプランナーとしての活動を始めてたばかりの時でした。
民間企業が行った調査結果が新聞の片隅に載っていました。
それは、夫と妻の結婚に対する意識調査でした。
冒頭、次のような文章から始まっていました。
夫の七割が離婚を考えたこともないのに対し、
妻の過半数は結婚を後悔している
二十代-五十代の既婚男女計八百人の調査で、夫と妻の結婚に対する意識の差が浮き彫りになった。
(1998年10月17日 朝日新聞)
目次
1.妻の半数以上が結婚を後悔
次のようなサブタイトルがついています。
「きずな」信じる夫と隔たり
Q1.「結婚を後悔した事がある」
妻:56.8% ・・・ ⇔ ・・・ 夫:37.6%
Q2.「離婚したいと思ったことがある」
妻:51.3% ・・・ ⇔ ・・・ 夫:28.5%
【 私の感想 】
・「夫」 は楽天的というか、ノーテンキというか、少しだけ可哀そうな生き物。
・「妻」 は結構シビアなんだ~。
・ちょっと待てよ、逆に 「後悔した事がない」 妻や夫も、以外とたくさんいるということですか?夫婦喧嘩した後など、たまには後悔したことなどないのでしょうか?
・「後悔した事がない」 妻や夫が半分くらいいるなんて、私にはそれも驚きでした。
Q3.「来世も同じ相手と結婚したいか」
「したくない」
妻:67.6% ・・・ ⇔ ・・・ 夫:16.8%
この数字は意味深ですね。
妻の「67.6%」ということは、すなわち三人に二人ということで、要は多くの妻が 「来世はあなたとは結婚したくない」 と思っているわけです。
「来世」 を 「二度」 と読みかえると、「あなたとは二度は 結婚したくない」 ということで、
さらに一文字入れ替えると 「あなたとは、二度と 結婚したくない」 となってしまいます。
なのに夫は、一体何を考えているのでしょうね。
多くのあなたの妻は、あなたとは 「二度は結婚したくない」 「二度と結婚したくない」 と思っているのに、
夫の多くは、「もう一度(あなたと)結婚したい」 と思っているらしいのですから。
2.後悔するつもりで結婚した人はいないはず
ところで・・・、
そもそも・・・なんですが、
後悔するつもりで結婚した人は(夫も妻も)いないのではないでしょうか。
結婚当初、ほとんどのカップルは、「二人で幸せな家庭を築こう」と考えていたでしょう。
多くの人は、「生まれ変わってもあなたと結婚したい」 と思って結婚したのではないでしょうか。
逆に、離婚したくて結婚した人はいないでしょう。
結婚は、「二人の夢」を「二人で実現するための第一歩」であったはずです。
新たな人生航路への出帆(スタート)であったはずです。
そこで、少々乱暴かもしれませんが、強引に推測してみました。
a.「目的地が違うことに気付かずに出帆してしまった」 ケース
考えられる第一のケースは、目的地(実現したい夢)が全く違うのにもかかわらず、行く先を確認することなく一つの船に乗り合わせてしまった、あるいはまた、行きたいところ(目的地=夢)がないまま大海原に漕ぎ出してしまったというケース。
このような場合、おそらく二人にとっては、同じ船に乗ることだけが目的(夢)だったのでしょう。きっと二人は、遊園地のボートにでも乗る感覚で結婚という名の船を漕ぎ出してしまったのです。
けれど、実際に船が浮かんでいるのは遊園地の池の中ではなく、大海の真ん中なのですから、二人に共通の目的地(夢)を、作り出すなり探しだすなりして、船を進ませるべき方角を知ることが大切です。だって、見渡す限り水平線という大海の中にあって、目的地さえわからないままでは船を漕ぐ力もわかないでしょう。
目的もなく大海をさまよい続けていれば、二人で船を漕ぎ出したことをいつのまにか後悔するようになっても当然です。
b.「共通の目的地を見失ってしまった」 ケース
考えられる第二のケースは、共通の目的地(夢)をいつの間にか忘れてしまった、または失くしてしまったというケース。
日々の仕事や家事・育児に追われるうちに、進むべき方角を見失ってしまったのかもしれません。
やはり第一のケースと同じように、航海に出たことを悔やむようになっても不思議ではありません。二人はおそらく、船出をしさえすれば、船を漕いでさえいれば、いつかは目的地に着けるものだと錯覚していたのでしょう。
3.ライフプラン(人生の航海図)のススメ
二人に共通の目的地(夢)は、決して一つだけとは限りません。実現したい夢はたくさんあるでしょう。その夢を一つ一つ、また、一つでも多く実現するためには、やはり 「航海図」 のようなものが必要です。ほとんどのカップルにとっては初めての航海ですから、「航海図」 を持たずに船に乗り込んだとしても、それはそれで仕方のないことです。
大切なのは、出帆してからであっても、また船を漕ぎながらであっても、早く二人で 「航海図(人生の設計図 = ライフプラン)」 を作ることです。二人の夢をもう一度確認し、整理しながら、本当に行きたい目的地をはっきりさせることです。
そして、もう一つ忘れてならないのは、時々その 「航海図(ライフプラン)」 を二人で一緒に見直すことです。
天候が悪くなることもあれば、船を修理することもあるでしょう。どの辺りを航海しているのかさえわかっていれば、目的地を変更することも容易です。
航海図(ライフプラン)を作り、それを時々二人で開けてみることで、目的地までの航海(二人の夢が実現できること)を確信できるはずです。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
新聞記事に載っていた調査結果とは逆に、結婚した当時には、「来世も同じ相手と結婚したい」 と思っていたカップルがほとんどではないでしょうか。その思いを大切にしながら家族としての「夢」を実現するためにも、「人生の航海図(設計図)=ライフプラン」 を今からでも創ってみてはいかがでしょうか。
ファイナンシャルプランナー 三谷慶太