ポイント還元とお金の使い癖 ~ 金銭感覚の緩みに注意 ~
2020/02/29 家計
目次
ポイント還元制度とは
2019年10月1日から消費税が、一部軽減税率の対象となるものを除いて10%になりました。
消費を下支えするための経済対策の一つとして、「キャッシュレス決済によるポイント還元制度」 も始まりました。
この制度を簡単におさらいしておくと・・・、
モノやサービスを購入する際にクレジットカードやQRコードを使って( = 現金を使わずに )決済したときに、その購入金額の 2% または 5% がポイントとして還元されるというものです。
資本金5千万円以下の中小の店舗での買い物では 5% が、コンビニなどフランチャイズ加盟店舗では 2% が、キャッシュレス決済の際にポイントとして還元されるのです。
大手のスーパーマーケットなどは対象外ですが、価額競争で不利にならないよう企業の負担でポイントを還元する店舗もたくさんあるようです。
確かにお得感がありますね。
「今まではあまりクレジットカードなどを使わなかったけれど、これを機会に大いに使おう」 と思っている方も多いのではないでしょうか。
注意したいお金の 「使い癖」
ここで注意しておきたいのは、お金の使い癖です。
「癖」 というものは、良くも悪くも一度ついてしまうとなかなか変えることのできないものです。
このポイント還元制度は、世界的には遅れている日本でのキャッシュレスの普及も目的としていますし、キャッシュレス決済が当たり前になることはみなさんにとっても国の経済社会にとっても、むしろ 「良い癖」 がつくことになるとも言えるかもしれません。
しかし、お金の 「決済方法 ( 支払い方 )」 とお金の 「使い方」 は別物です。
「貯金ができない」 とご相談に来られるお客様にいろいろお尋ねすると、
「ほとんどの買い物にカードを使う」 という方が少なからずいらっしゃいます。
確かにカード払いでは、財布に入れる現金を引き出すためにわざわざ銀行の窓口やATMに足を運び、さらにそのお金を持ち歩くという面倒もありませんし、なによりポイントも貯まります。買い物のたびに財布の中身を気にする必要もありません。
とても便利なシステムではあるのですが、それは同時に、使ったお金の量を実感しにくくなる ということにもつながっています。
ついつい金銭感覚が鈍くなり、無意識のうちにできていたお金の自己管理も甘くなりがちです。
気づけば貯まったポイント以上に浪費してしまっているということになりかねません。
今回のポイント還元制度は 2020年 6月 で終わります。
その時に、緩んでしまったお金の使い癖だけが残ってしまうと、その悪い癖はその後の長い人生にボディーブローのように効いてきます。
何事も始めが肝心、金銭感覚を大切にしながらのキャッシュレス生活を意識しましょう。
ファイナンシャルプランナー 三谷慶太