【相談事例】年をとっても入れる保険があるとCMで言っています。私も入った方が良いですか?
2023/10/02 保険
年齢を重ねてくるとカラダの不調も増えてきます。これまで生命保険に入ってなかった人も何となく不安な気持ちが芽生えてくるもの。そんな時「〇〇才まで入れます!持病があっても入れます!」なんてCMを見るとますます保険が気になってきますよね。
そんな時こそ冷静に、保険という商品が今後も必要かどうか考えてみましょう。今回は定年退職(60才とします)前後の方の相談事例の回答になります。
目次
保険に入る目的
まずは何のために生命保険を利用したいか、その理由を考えてみましょう。
いわゆる定年退職(60才前後)以降の生命保険を目的別に3つに分けてみました。
1)入院、手術など自分の病気に対して補うもの(医療保険、三大疾病保険、介護保険等)
2)葬儀代、遺族の生活費(終身保険、定期保険、葬儀保険(少額短期保険)等)
3)貯金や退職金などの運用手段(終身保険、年金保険等)
加入判断のポイント
それぞれのポイントを見ていきましょう。
1)入院、手術など自分の病気に対して補うもの(医療保険、三大疾病保険、介護保険等)
治療や入院費、介護費用を補填するだけの預貯金等があれば、新たな保険加入は必要ないと考えることもできます。まずは現在加入している(検討している)医療保険の内容を確認しましょう。必要のない特約などはついていませんか?日本は公的な医療制度が充実していますので、制度を利用した上で足りない部分だけを私的保険で補いましょう。
2)葬儀代、遺族の生活費(終身保険、定期保険、葬儀保険(少額短期保険)等)
葬儀代は、すでに保険で準備済みであったり貯金があれば改めて加入の必要はありません。一方、老後の収支を試算した上で、遺族の生活費や子の教育費が足りないようであれば、今の保険を継続したり不足分だけ新規加入をするなど保険を活用するのも良いでしょう。
3)貯金や退職金などの運用手段(終身保険、年金保険等)
利用しようと思う保険商品の仕組みをしっかりと理解できるかどうかが最初の関門です。最近は外貨建ての複雑な商品も増えています。為替、変額、解約控除、市場価格調整などの用語、メリット・デメリットを理解できるかどうかが選択の目安の一つになります。理解できないものには加入しないようにしましょう。運用する期間や金額、受取方も納得した上で利用するのが鉄則です。
定年前後からの保険加入をどう考えるか。まずは退職後のライフプランをしっかりと考えましょう。どのように生き、どこで誰と暮らし、何がしたいか・・・家族の状況、仕事の有無、家計収支、保険に対する考え方などで必要な保障は異なります。収入が減る定年後、保険プランも再構築することが大切です。
「考えることが多すぎてよくわからない」という方は、一度独立系のファイナンシャルプランナーに相談してみてはいかがでしょうか。
ファイナンシャルプランナー 堤 淳子