【相談事例】米ドル建ての保険に入っていますが、円安で毎月の支払額が増えて困っています。このまま続けた方がいいですか?
2023/08/22 保険
Cさんは結婚4年目、共働きのご夫婦です。結婚してすぐ将来のためにお二人で米ドル建ての積立保険を始めました。ところが奥様が産休、育休に入り、収入が半減したことで保険料の支払いが困難になってきました。その上このところの円安で毎月の支払額が増え、もうどうしていいか分からずFPに相談に来ました。ここで解約したら損しますか?どうしたらいいですか?
(30代ご夫婦)
目次
将来のために何とかお金を増やそうと、日本の保険よりは金利の高い外貨建て保険を検討する方も多いと思います。ずいぶん前からの金利の低下で、日本の預貯金や保険ではちっともお金が増えないからです。ただ、金利が高いからと言って外貨建て保険にはリスクは無いのでしょうか?Cさんの選択は間違っていたのでしょうか?
Cさんの反省
Cさんは、次のような反省点をFPに話してくれました。
①ずっと今の生活が続くと思っていた
共働きであったため月々の積立額をそれぞれ多めにしていました。将来お子様が生まれて、奥様がフルタイムでは働けなくなることを実感として想定できていなかったのです。
②為替リスクを甘く見ていた
Cさんが加入している外貨保険は、毎月の支払いがドルで固定されているタイプの保険でした。毎月100ドルなどと保険料が決まっているため、月の保険料が100ドルとすると、1ドルが100円の時には1万円支払えばいいですが、最近のように円安が進み1ドルが140円ともなれば1万4千円も支払わなければなりません。毎月円での支払額が決まっているタイプの保険なら、1万円なら1万円分のドルを買うことになりますので、円安になれば買える外貨の量は減りますが毎月の円での支払額は一定のはずでした。どちらがいいということはありませんが、家計に影響が出てから分かったのです。
③支払う保険料が全部積立に回ると思っていた
保険契約には様々な諸費用が掛かります。その費用は保険料の中から差し引かれ、残りを保険会社が運用します。早期に解約すると解約控除というペナルティがあったり、年金で受け取るあいだ管理費用が引かれたり、契約をするときにはしっかり聞いて、理解できるものなら加入するという姿勢が必要です。
改善策
さて、このまま続けることは出来そうにありません。
ではどうすればいいでしょう?
対策は一人ひとり違いますのでライフプランを作って見ないと一概には言えませんが、一つの案としては思い切って損切りし、老後資金であればiDeCo、教育資金も考えるならNISAを取り入れてプランを練り直してはいかがでしょうか?
まだ若いご夫婦なので時間はたっぷりあります。残念ながら今回のことは勉強代として諦めることも必要です。
そして今後のプランを立てる時に重要なことは、いざという時の現金も必要という事。貯蓄もしっかり行ったうえで非課税制度を活用して投資を取り入れていきます。収入が少ない若いうちは投資にそう多くは回せないと思いますが、FPに伴走して貰いながら今後の収入、支出の長期的なキャッシュフローを作成し、将来を見据えたライフプランを作っていきましょう。
ファイナンシャルプランナー 平野 佳代子