子どもにかける教育費と親の貯金
2017/05/12 学費
「教育費」
人生の三大支出の一つと言われています。
「金に糸目をつけずに」といきたいところですが、
さて、どの程度を考えておくべきなのでしょうか?
目次
教育費は当然、親が負担するもの、・・・ですか?
最近、初めて相談に来られた方。
家計のこと、教育資金や年金、運用のこと、いろいろでしたが・・・、
例えば、教育資金、子どもの学資、
貯金から出すのが良いか、奨学金を利用するのが良いか、
どう考えるべきでしょう?
貯 金 =(親の負担)か?
奨学金 =(子ども自身の負担)か?
さて、みなさん、シンプルにこんな問いかけをされたら、どう答えますか?
我が家では、三人の子どもたちに、こう言ってきました。
おとーさんとおかーさんにも、人生がある。
幸せにならなくちゃいけない。
だから、たとえ教育のためであっても、
あなた(こども)たちに、糸目をつけずにお金を出すことはできませんっ。
(これは多分に家族観や教育観の問題で、異論もたくさんあろうかと思います)
私は、親自身が幸せになること、活き活きできること、
それが子育てや教育に最も大切なことだと思うのです。
村上春樹の「13歳のハローワーク」の中に、次のような一節がありました。
これから、教師を目指そうとする子どもや若者には、いろいろな知識やスキルを身につけることはもちろんのことだが、どのような学校に勤めるにせよ、まず「自分の人生を充実させ、楽しむこと」を優先させて欲しい。自分の人生を充実させ、楽しんで、その上で、子どもたちと接してもらいたい。子どもたちは、実に正確に教師を観察するものだ。その教師が、人生を楽しんでいるか、あるいはつまらない人生を送っているか、見抜く力を持っている。つまらない人生を送っている教師からの指示は、子どもたちにとって単なる強制でしかない。
また、そのあとにはこんな一節もあります。
教師に限らず、親も同じだが、子どもは幼児のころは別にして、いつもいつも一緒にいて遊んでくれるというより、「魅力のある」教師や親を望むものである。魅力があるということは、人生を充実させ、楽しんでいるということに尽きる。
「13歳のハローワーク」村上春樹著(幻冬社)Essay「求められる教師像とは?」より
これを読んだ時、思わず「わが意を得たり!」とガッツポーズをしてしまいました。
教育資金の算段の前に、親の人生を充実させること
子どもにとって「魅力のある」親になるためには、
教育費をどの程度負担する云々の前に、
親自身が、自分の人生を楽しむこと!
子どもが、「親は楽しそうな人生を歩いてるな~」と日々感じていれば、
自分も早く大人になって、人生を楽しみたいな~と思うのではないでしょうか。
親の人生を削ることになってしまうほどの教育費負担であるのなら、親がそのような負担をすることにはあまり賛成できません。
ですから・・・、
過大に感じるほどの教育費を親が負担することが、親自身の人生を削ることにつながるのかそうではないのか、
それを知っておくことがまず第一歩、と思うのです。
・・・それに、
子どもにかけるお金の量と、子どもの幸せとは・・・・・、
必ずしも比例しませんもんねー。
難しいですねー。
ファイナンシャルプランナー 三谷慶太